我が家には、まともな柿の木がない。数十年前の台風で2本の八珍柿が倒木して以来、更新木は植えないでいた。
僕等が子供の頃に、母屋の軒先に大きな雑柿があったが、母屋改築に伴い邪魔になって切り倒した。
今あるのは、いつの間にか芽が出て育ってきたその雑柿の二世である。
切り倒そうか、接ぎ木しようかと思案してきて今日まで、まさかこんなところで柿渋の材料になろうとは、何でも役に立つもんだね。
6日にその柿をもぎ取った(ブログで紹介)。
一日間を置いて昨日の夕方、水洗いの後、潰して容器に入れ5、6日冷暗処に放置してから濾して熟成させれば完了となる。
普通のバケツに大盛り3杯くらいの柿の量だが、思ったより嵩張って、漬物用のポリ容器(大小)4個分に納まった。
まだここまでの作業工程だが、参考までに記述してみましょうか。
☆柿渋の作り方(やや我流)
①まず、材料となる柿をもぎ取ります。柿の木は、枝が脆くて折れやすいので充分に注意が必要。枝ごと切り落として柿だけもぎ取ります(来春に新枝が伸びるので心配無用)。もぎ取り時期は、地方によって異なるが、概ね、お盆過ぎから9月上旬を目途に、青いうちにもぎ取らないと、柿渋の主成分のタンニンが減ってくる。時期を失した場合でも、最低色づきの前にもぎ取る。
③大きい柿は、刃物で切って分割する(細かいほど潰す作業が楽になる)。大きさによるが、概ね4〜6分割。
④ビニール袋(厚手の肥料袋等)に入れて木槌等で叩き潰す。一度に多く入れると、潰すのに手間が掛かったり、潰れムラが生ずるので、加減しながら少しずつ潰す。
⑤ポリ容器に入れ、水を注ぐ。潰しクズの表面に1センチほど堪る程度。
これ以降は、まだ未工程(⑥まで終了)
⑦5日〜7日くらい放置してから、ザルやボテ等で濾す。表面にカビが発生するが問題ない。表面だけ取り除く。一回搾りだけでは、勿体ないので濾しカスをもう一度⑤の工程で繰り返す。但し、2回目は成分が薄くなるので、水は少なめに注ぐ。
⑧ペットボトルに移して冷暗所で熟成させる。1回目と2回目の搾り汁を合わせてもいいが、いろんな使い方を楽しむために、別々に保存するのも一興かも知れない。染め物は2回搾りの液が適当かと思われる。絞り立ては、乳濁色(灰色)をしているが、年を追って緑灰色から茶褐色へと、色も濃くなっていく。
塗布する材質等(硬さ、吸水の程度、時期等)にも依るが、時間の経過と共に塗り色が濃くなっていくので、経過後のイメージを考えて、想像より幾分抑えて塗った方が無難。