☆柿渋で染め直した冬暖簾
この夏に地面を焼け焦がす様な夏日の連続でも、此処越後の豪雪地、魚沼の郷は太陽が遠くに退く季節が来ると、何事もなかった様に忘れず冬が訪れる。
朝一番は吐く息が白く、井戸水が温かく感じられる様になった。それだけ気温が下がってきた事になる。
4日の日曜日、立冬を前に冬用の暖簾に掛け替えた。
ババが拘る高島暦、六輝(六曜)の吉凶を見定めての「大安」、おいらは全く気にせんが、まあ、あえて逆らう事もなかろうと。
色褪せた茶褐色の柿渋染めの暖簾だが、この初秋に染め直しておいた。
しっかりと、黒々に定色した4年物の柿渋を使って2回も染め直した結果、柿渋特有の渋さ出て、良い感じで落ち着いてきた
自家製の柿渋を使って塗ったり染めたりと悪戯をする。
今まで作り置いた柿渋だが、これまで充分の時間を費やして保存してきたので、通常の悪戯では使い切れないほどの量と、本来の色が深まった。
この冬暖簾のような、タップリと吸収する素材には柿渋も相当量を使用する。
塗ったり、染めたりしたての頃から比べると、時間の経過と共に色が濃くなってくるから不思議だ。
柿渋は、時間が経てば経つほど色合いが深まり、濃さを増し味が出てくる。
最終的な出来映えを予測するのは難しいが、今よりも必ず色合いが濃くなることを想定して作業を判断することが重要となる。
塗って1年が経ち、漸く良い色が出てきた。そんなことの繰り返し、だから柿渋は面白い。