先週、我流の手打ちうどんについて、途中(のし台の手順)からご紹介した。
今日は、前段をご紹介してみようと思うんだが、お断りしておくんだが、あくまでも我流である。
牧之庵の親爺は、手打ちそばと同様、過去に一度たりとも他からの手解きは一切受けていないので、あくまでも我流である。あしからず。
うどんは、善し悪しは別として、そばを打てれば、比較的簡単に打つことができるんだね。実際に僕は、開店の数日前まで、一度たりとも「うどん」は打ったことがなかったんだね。
その時に感じたこと「そばよりも打ち易い」って事だった。従って、そば打ちの技術を習得できている人は、容易に打つことができるってことなんだ。
打つという作業は、そばに準ずるが、一番の違いは粉の扱い、そばは練るが、うどんは押し。
手のひらや、ゲンコツ押し、足で踏みつける。要するに上からの押し、圧力で粉をまとめあげるんだね。
また、そばは、打って直ぐ伸しに入るが、うどんの場合は、適当な時間を掛けて寝かし(熟成)に入るんだね。
この違いは、双方の粉の蛋白質の性質が異なるからなんだそうだね。
実際に、打ったばかりのうどんは、弾力性があって、伸せるものではないんだね。程良く寝かせると、スムーズに伸せるんだよ。
先週は「のし台の手順」について、中途からのご紹介になりましたので、今回は、前段を紹介してみましょうか。
我流・手打ちうどんの打ち方
1)準備作業
・食塩水を作る
塩分濃度は10%が基本。加水量は50%を目安。打つ粉の量に合わせて、食塩水を作る量がきまる。
今日は、2リットル(2000cc)の水と、食塩200gで10%濃度の食塩水を作りました。
・小麦粉をふるう
こね鉢の上で粉をふるいに掛け、ダマを取り、きめ細かくしておきます。
2)水まわし
加塩水は3回以上(3回が目安)に分けて行う。
(1回目の加水)
鉢の中の粉を平らに均して、作った塩水の半分位を、中心から渦巻き状に加水する。
鉢に直接かけると、粉がこびり付くので注意。
手早く水分が均一に行き渡るために、両手で混ぜる。指先を広げて掻き混ぜるが、力を入れたり、こねたりはしないこと。
次第にパン粉状になってくる。
(2回目の加水)
残った塩水の半分を、1回目の要領で加える。
次第にくっつき合って、固まりができてくる。
(3回目の加水)
ここまで来ると、粉も充分な水分を吸収しているので、ちょっとの加減で入れすぎになるので、馴れない内は、少しずつ手にとって、振りかける方が無難。
固まりがくっ付き合って、しだいに大きくなり、コロコロした固まりだけになったら完了。一ヶ所に集める。
(口では、言え表せないので体験の繰り返しで、体得するしかないだろうね?)
3)まとめ(ゲンコツ押し)
集めた固まりのコロコロを、両手の握り拳で力を入れて潰し込むように生地をまとめる。
まとまってきたら、折り返しながら繰り返す。
かなり(表現が難しくて、記述では無理なので、これも経験により体得)まとまったら、四つ折り(四角)にして、更に手の平で押しつぶす作業を繰り返す。最終的には、四端をたたみ上げて終了。
4)くくり
四角にたたみ込んだ生地は、角を内側に折り込み、両手で挟み込むように回しながら丸く仕上げていく。
大きなお饅頭のような形に仕上がったら、手の平で上から押しつぶし、平たな円形にする。
5)足踏み
足踏みの方法、用具等は、いろんなアイデアがあろうかと思うが、僕の最近の方法は、ちょっと変わっているんだね。
最初はビニール袋に入れてゴザに挟み込んで踏んでいたが、最近は、こね鉢を利用して作業している。
くくった玉をこね鉢の中央に置いて、上から厚手のビニールを掛け、その上に下が汚れないために新聞紙を敷く、いつも厨房で使っている雪駄を履いて踏んづけるんだね。そこが平らで硬いから、便利で仕上がりも良いんだね。
踏んでいると、生地に弾力が出てくるのがわかる。
右回り、左回りで10周位ずつしたら、被いを除けて生地を、4)くくりの工程でしたように円形にし、反転させて再度足踏みを繰り返す。
5)熟成(寝かし)
ゲンコツ押しや、足踏みで強い弾力をおびた生地は、粘りと収縮が強くて直ぐには伸せない。そこで、寝かしが必要になってくるわけだ。
ビニールにくるんで暫し放置する。最近の粉は、改良が進んで、昔ほどの熟成時間を要しないが、それでも夏場で1時間、冬場で2時間は必要となる。
熟成の目安としては、生地を指先で押してみるとわかる。指の跡がそのまま残っていれば完了、元に返るようでは熟成不足である。
時間の余裕があれば、冬場なら6時間くらい寝かせた方が、その後の作業(伸し)が簡単なんだね。
以上で、こね鉢の手順、足踏み、熟成(寝かし)の手順を簡略にご紹介しました。
伸しの手順は、先週触れたので省略しますよ。我流ですが参考になれば幸いです。
☆参考「伸しの手順」 http://d.hatena.ne.jp/bokusian/20081122